山崎一馬氏の物語
CASE 04 — PRESIDENT STORY

200年の伝統を背負い、世界へ挑んだ七代目漁師の決断と覚悟

日本で二百年続く、
七代目の漁師。

淡路島から、世界の海へ。山崎一馬の物語。

山崎 一馬YAMAZAKI KAZUMA
SCROLL
「Who are you?」

あんたはどこの誰だ? なぜここにいるのか?
異国での取引や、海の調査で、何度も投げかけられたこの問い。
毎回、胸を張って答えてきた。

「日本で二百年続く、七代目の漁師__山崎 一馬だ」と。
01
One Life
「一度きりの命」とは何か

10歳の時、従兄弟が交通事故で、突引この世を去った。

「自分は何のために生きてるんやろう? 自分はこの世に何を残すんや?」

答えは出なかったが、問い続ける習慣だけが残った。

02
Mission
生涯の使命に向き合う

やんちゃな時期もあったが、人を笑顔にする仕事に憧れ、18歳でNSC(吉本興業)の門を叩いた。

だが、故郷の兵庫・淡路島から届くのは「魚が獲れない」「地元が衰退していく」という悲鳴__漁師の血が、彼を海へ引き戻した。

海と向き合う日々の中で、一つの確信が生まれる。

「日本の漁業が良くならんのは、現場を知る人間が矢面に立たないからや」

憂うだけでなく、自ら動く。それが山崎の流儀だ。

25歳で町議会・市議会議員となり、身を粉に奔走した。

しかし政治の限界が見え、制度より現場を変えるほうが早いと実業の世界へシフトする。

「船上だけの知識やったら、何も変えられへんからな」

山崎は水産卸、ワカメ加工、飲食店と次々に事業を拡大した。漁場から食卓まで。海の資源をどう生かすか、全工程の経験を積むための選択だった。

03
Responsibility
日本の海を残すのは、現役漁師の責任

事業を展開する中で、山崎は直視せざるを得ない現実に何度も突き当たった。

日本の海から、魚が減っている__

海水温上昇のせいだけではない。日本の「獲れるだけ、獲る」文化が原因だ。

資源を守りながら増やす仕組みが、この国にはない。

同業者との会合に出ても「いかに効率よく獲り、稼ぐか」という話ばかりだ。「子孫のために、百年後の海をどう守るか」を真剣に語れる者は、いなかった。

親になって以来、自問することがある。

「今の海を見て、自分の子供に
『八代目の漁師を継げ』と
胸を張って言えるのか?
それは今を生きる、現役世代の責任や」

04
Bigger Ocean
もっと「大きな海」へ。

解決策を求めた東南アジアもまた、獲るだけの海だった。

次に目を向けたのが、魚一尾一尾に法律がある漁業先進国・アメリカだ。船上で産卵期のメスをすぐに選別して海に返すなど、資源を絶やさない管理を徹底している。

魚の鮮度を保ち、旨味を最大化する日本の技術や物流は、世界一といってもいい。海外でも "刺身グレード"や"ジャパンクオリティ"と呼ばれ、高評価を受けている。

しかし、世界で勝っているのは、資源管理や流通などの "仕組み" を持つ者だ。

「日本固有のクオリティとこの "仕組み" を掛け合わせれば、日本の水産業を復活させ、世界で戦うための最強の武器になる……」

気づいた者から、動くしかない__

38歳で、渡米を決意。

だが、海を越えるまでに3年の歳月を要した。

そして、41歳。ロサンゼルスの地に立った。

地元・淡路では実績も信用も積み上げてきた。安定を求める年齢になって、なぜ海を越えたのか?

「胸を張って漁師を継げと言える環境を、動けるうちに作っておけばよかった…死ぬ前に、そう後悔したくなかっただけですよ」
05
This Is Real
パンデミックを乗り越え、アメリカで成功

しかし、異国の地を踏んだ途端、壁が立ちはだかった。2020年3月。コロナのパンデミックが世界に広がり、受け入れ先の米国企業から即解雇を告げられた。このままアメリカでの挑戦を進めるか、諦めるかの覚悟を問われた。

「何も学ばんまま、尻尾を巻いて帰るわけにはいかん!」

歯を食いしばり、アメリカにとどまることを選んだ。追い詰められた異国の地で、生き残る術として始めたのが、LAの寿司レストランだった。

「やりたくて始めたわけじゃないんですよ。アメリカに滞在し、目的を達するための手段だったんです。」

創業時、軌道に乗るまで一人仕込みをしながら、淡路の海を何度想ったことか__言葉もうまく通じない、誰にも弱音は吐けない。何も成さぬまま国に帰れない。

それでも山崎は、目の前の一尾一尾に自分の命を懸けつづけた。

ある夜、一人のアメリカ人客が、目の前で解体された魚を口に運び、手を止めた。静かに目を閉じて味わうと、店内に響く声ではっきりと言った。

「……This is real!
(これこそ本物だ!)

次の瞬間、店内に拍手が広がった。
その一言が、すべてを変えた。

お客を熱狂させる魚の解体ショーは口コミで広がり、瞬く間に繁盛店へと押し上げた。七代目漁師の魚を扱う技術は、本物だった。

国を出て、わかった。日本人は自分たちのDNA、持っているモノの技術や価値を知らなすぎる。その凄さは、圧倒的なのだと。

さらに失敗を恐れず、未知の場所に最初に突っ込んでいく人間を、アメリカ人は心から称賛する。山崎はそのフロンティア・スピリットを血肉にした。やるか、やらないか。しがらみを抜け出し、実力で切り拓く開拓者精神だ。

子供たちにもこの挑戦を恐れない文化の空気を吸わせたかった。それも、家族で移住した理由の一つだった。

06
Allies
孤独な戦いに、奇跡の援軍
「日本じゃ、誰一人、見向きもしてくれんかった__」

語るより、見せなければ……ずっとそう自分に言い聞かせてきた。

諦めずに孤軍奮闘していた山崎に、やがて信じられない展開が起きる。

地元の同級生から始まった6人の数珠繋ぎの縁で、世界市場で越境Eコマースを手掛ける「最高のパートナー」が現れたのだ。

この出会いにより、山崎の構想が一気に加速する。

日本でも強力な援軍が現れ始めた。東京海洋大学の教授や、大手外食産業のトップたちが「絶対にその形を作ってくれ!」と背中を押してくれている。

07
Blue Economy
世界の海を巡る、本当の理由

山崎の使命は、明確だ。

現地の水産資源を守りながら、持続的な経済価値を生み出すビジネスモデル、いわゆる「ブルーエコノミー」の成功事例をつくること。

しかし資源(水揚げ量)が無ければ、最新の技術も流通も、何一つ始まらない。

そのため、最前線で一人の日本人漁師が、この大命題に体一つで道を拓こうとしている。

LAからメキシコへ広がる太平洋沖では、求めている魚が見つからなかった。魚に国境はない。今はスペインやポルトガル、モロッコなど大西洋側の海へ出向き、探索を続けている。

「日本人は "圧倒的な結果" を見せないと動かない。だから、海外で圧倒的な成功事例をつくって逆輸入する。日本に提言書を突きつける。それしかないんです。」

彼の最終目標は、『日本の水産業を、世界一誇れる産業にすること』。

"山崎版ブルーエコノミー" を日本で再現し、水産業に関わるすべての人々に「誇り」と「笑顔」を取り戻すことだ。

08
Identity
「僕は、漁師で死ぬと決めているんです。」

「僕は、漁師で死ぬと
決めているんです。」

この一言が、すべてを語っている。

初代から続く血筋の誇りを胸に、遠く離れた異国の海に挑む。

もし、山崎に会う機会があれば、寿司レストランオーナーという肩書きだけでなく、その奥にある本質を見てほしい。

山崎自身は、海から授かる尊い命への敬意から、魚を「お魚」と呼ぶ。

だから__

「海とお魚を愛する、日本で二百年続く、七代目漁師」と覚えてほしい。

この挑戦はもう、一人ではできないところまで来ている。

山崎と組むか、応援するか。「技術」「行動力」「仕組み」この3つを一人で体現する人間が、世界の水産業にどれだけいるかで判断してほしい。

私たちが今日食べる魚。刺身。寿司のネタ。その一切れ一切れは、誰かが海から獲ってきたものだ。その魚が、静かに減り続けている。

山崎一馬は、その流れを止めるために、世界の荒波に漕ぎ出した。

これは、一人の漁師のサクセスストーリーではない。

この国に生きる、私たちの「命の戦い」そのものだ。

海とお魚を愛する、
日本で二百年続く、七代目漁師。

山崎一馬は今この瞬間も、
私たちの未来のために、大海を切り拓いている。

— 完 —
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ご感想コメント
山崎一馬氏
山崎 一馬氏
CASE 04 — 社長5分物語制作者

「自分の使命や理念が、この物語にすべて表現されていました。過去の出来事と今の使命がどう繋がっているのかを再認識し、"初心に戻れる感覚"がありました。アメリカの地で、頭の中で鮮明に映像が浮かび、文字を読んで久しぶりに涙が込み上げてくるほどの感動があったんです。

正直に言うと、制作を依頼する前はプロフィールを少し良くまとめてもらう程度だろう、と思っていました。しかし、出来上がったものはまったく別物でした。経歴やプロフィールは脳にしか届かないけど、この物語は、人が理屈でどうにもできない "感情" に直接アクセスしてきました。

もし、私が採用活動をしていて、求職者がこの自分史を読んだら、この人と一緒に働きたい!と言ってくる人間が必ず出てきてくれると確信したんです。それほどの力が有ると思います。

AIの時代だからこそ、人が人のために書いた物語の価値は、今後さらに上がると思います。これは私のような経営者にとって、集客や採用、信頼構築において長く使い続けられる"資産"になると感じました。もし今、自分の想いが、うまく伝わっていないと感じている経営者の方がいるなら、制作してみる価値があると思います。」

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